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2005年07月05日

商法・会社法改正 その5

会計参与制度の導入

(1)現行制度と課題

 商法特例法上の大会社(資本金5億円以上または負債総額200億円以上の株式会社)には、会計監査人(公認会計士・監査法人)による監査が義務付けられていますが、中小法人の会計に関しては、適正担保が定められていませんでした。


(2)見直しの方向性

 過度な負担なく中小企業の計算書類の信頼性を向上するため、主に会計監査人が設置されない中小会社に対し、会計専門家が取締役と共同して計算書類の作成を行うことにより計算書類の信頼性を高める「会計参与制度」が導入されます。
 会計参与は税理士・公認会計士が就任し、業務監査は必要ありません。同制度は任意の制度ですが、取締役会を設置した会社では、会計参与を設置することで監査役に代えることができます。なお、機関設計の如何や譲渡制限の有無にかかわらず、会計参与を任意で設置することができます。


(3)会計参与とは?

<職務>
イ.計算書類作成 ロ.総会における説明 ハ.計算書類の保存(5年間) ニ.株主・債権者への開示
<資格>
税理士(税理士法人含む)または公認会計士(監査法人含む)
<兼任>
会社または子会社の取締役、執行役、監査役、会計監査人または支配人等との兼任不可
<選任>
株主総会で選任 登記事項
<任期・報酬>
取締役と同様の規定に従う
<責任>
計算書類の作成につき任務懈怠があった場合、対会社責任(過失責任)及び第三者責任(重過失責任)を負う。対会社責任については一部免除が可能。株主代表訴訟の対象となる。

参考 タビスランドホームページ

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商法・会社法改正 その4

従来の規制の見直し

(1)自己株式の取得に係る授権決議は定時総会以外の総会でも可能

 迅速な自己株式(「金庫株」)の取得のため、買取りにあたり必要な取得総額などの取締役会への授権決議は定時総会以外の総会でも可能となります。
 これまでは授権決議が定時総会決議に限定されているため、機動的な自己株取得が行えないという批判がありました。今後は授権決議が迅速化されますが、財源規制は従来どおり維持されるため、その規制に違反して配当した場合は、取締役に対して弁済責任がかかります。財源規制とは、純資産から資本及び法定準備金を控除した額の範囲内で自己株式の取得が可能というものです。


(2)譲渡制限株式会社の株式に係る特例

 株式の分散防止のため、相続・合併など譲渡以外の事由による株式移転を会社が承認しないことを可能とする旨を定款で定めることを許容します。また、従来は発行済み株式総数の2分の1未満という議決権制限株式の発行総数制限も撤廃されます。
 従来は、利益配当や議決権は各株主の株数に応じて配分されることとされてきたが、今回の見直しにより、総株主の半数以上、かつ総株主の議決権の4分の3以上の賛成が必要な「特殊決議」により定款で定めれば、議決権や配当について特段の定めを置くことが可能となります。 特段の定めについては、例えば、株数に関係なく利益配当を全員同額とすることや、特定の株主を株数以上の割合で優遇する、複数議決権や議決権の上限制など議決権の数に属人的な差異を設けることなどが考えられます。

今後の留意点として、

1) ある種類株式を議決権制限株式化するための定款変更は、総会での特別決議(総株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、かつその議決権の3分の2以上の賛成をもってする決議)に加え、種類株主総会の特別決議も必要
2) 譲渡制限の定めや属人的な定めを定款に設ける場合の決議要件は、要件が厳しい特殊決議が必要
3) 譲渡制限の定めに係る定款変更決議に反対した株主には買取請求権が付与される

などが挙げられます。


(3)取締役会の書面決議(持ち回り決議)を許容
 取締役が遠隔地や外国に居住している場合の負担軽減のため、定款で定めれば書面決議が可能になります。

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商法・会社法改正 その3

(1)類似商号・目的の規制は撤廃されます

 類似商号規制とは、同じ市町村において他人が登記した商号を同種の営業について登記することを禁止することですが、登記手続の簡素化の要請も踏まえ、類似商号規制は廃止されます。
ただし、「不正目的の商号使用」の禁止は維持され、商号使用差止め請求も引き続き可能です。不正競争防止法によって、周知されている商号の不正競争目的の使用に対し、商号使用差止めや損害賠償請求が可能であり、刑事罰による対処もあります。例えば「資生堂」のようなブランドや、敵対的な類似商号は排除されます。
 類似商号規制の撤廃と同時に、類似の判断基準となっていた「会社の目的」についても記載基準が緩和されます。これまでは、登記事項である「会社の目的」で「同一の営業」を判断したため、登記実務上、「会社の目的」に係る語句の使用が厳格で審査に時間と手間がかかっていたことから、登記実務において、「会社の目的」について商品の販売のような、包括的な記載が認められます。


(2)最低資本金規制の撤廃

 周知のように、現行の株式会社1,000万円、有限会社300万円という最低資本金規制は、撤廃されます。
 現行法での“1円起業”が恒久化されますすが、法人格濫用への懸念に対しては、裁判所による解散命令や法人格否認の法理が適用される。また、300万円程度の資本金(純資産)がなければ配当などの剰余金分配ができません。 


(3)払込金保管証明制度の一部廃止株式会社の設立に、発起設立と募集設立があります。

 発起設立により会社を設立する場合にあっては、株式の払込みについて、銀行や信託会社による払込金の保管証明を不要とし、払込みがあることの証明手段について、残高証明で行います。一度振込みがなされれば、設立登記前であっても出資金の引出しが可能になります。
 今後は、発起設立の場合は払込金保管証明制度が不要となりますが、募集設立については、引き続き払込金保管証明制度が維持されます。

参考資料 タビスランドホームページ

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2005年07月04日

商法・会社法改正 その2

改正会社法・合同会社(LLC)と有限責任事業組合(LLP)

平成18年4月施行を目指し、改正会社法が成立しました。経済界からの注目を集めてきた合同会社制度(LLC)についても、その制度内容が明らかになりました。

一足はやく成立した有限責任事業組合制度(日本版LLP)と比較しますと、つぎのとおりです。

合 同 会 社 有限責任事業組合
根拠法 会社法
(平成17年6月29日参議院成立)
有限責任事業組合契約に関する法律
(平成17年4月成立)
施行時期 平成18年4月を予定 平成17年11月までに施行される。
平成17年8月を予定
法人格の有無 法人格あり 法人格なし
事業目的の制限 規定なし その性質上、有限責任制をとることが適用でない業務として政令で定めるもの等は、事業目的とできない
構成員の人数制限 規定なし 最低2人以上
業務執行権限 社員
業務執行を全く行わない社員の参加を容認
組合員
業務執行を全く行わない組合員の参加を認めない
構成員の責任 出資の価額を限度とする有限責任 出資の価額を限度とする有限責任
課税方式 法人課税が適用される見込み 構成員課税となる


合同会社制度と有限責任事業組合制度とでは、法人格の有無以外にも、重要な相違があることがわかります。注目を集めた課税方式に関しては、合同会社については構成員課税は適用されないとする見方が強くなってきています。有限責任事業組合制度とでは、事業目的の制限の有無や業務執行を全く行わない構成員の参加の可否について取扱いを異としているため、その設立目的によっては、合同会社と完全に代替可能な制度ではないことに注意が必要です。

今後の事業活動に、定款規定もゆるやかな、LLC・LLPの利用を大いに検討しましょう。なお、合同会社から株式会社への組織変更も可能です。

会社は株式会社という時代は過去のものになりつつあります。

これで法人の種類は以下のものとなります。
株式会社、合名会社、合資会社、合同会社、有限責任事業組合、+ 旧有限会社

新法の下では有限会社はありませんが、現行はそのまま残ります。

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