平成17年税制改正大綱
編集:神津信一税理士事務所
<所得税・個人住民税>
・国・地方を通ずる個人所得課税
・住宅税制
・金融・証券税制
・国際課税
・中小企業・ベンチャー支援
・NPO税制等
・その他の制作税制
・その他
<法人税>
・国際課税
・中小企業・ベンチャー支援
・NPO税制
・その他の制作税制
・その他
<相続税・贈与税>
・その他
<地方税>
・法人事業税
・個人住民税
<その他>
検討事項
| 税 目 | 内 容 | 細 目 | 適用時期 | ||||||||
| 所得税・個人住民税 | 国・地方を通ずる個人所得課税 | 1.定率減税の引き下げ (1)所得税
(2)個人住民税
(注) 上記の改正に伴い、平成18年1月1日以後に支払うべき給与等に係る税額表及び公的年金等に係る源泉徴収すべき所得税の額から控除する定率減税の額について見直しを行う。 2.税源移譲 平成18年度税制改正において所得税から個人住民税への本格的な税源移譲を実現する。 ☆税源移譲 概ね3兆円(但し、平成17年においては暫定的な措置として1兆1,159億円) |
平成18年1月から、個人住民税については平成18年6月徴収分から実施 | ||||||||
| <住宅税制> | 1.住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除 ☆適用対象となる既存住宅の範囲の拡大 →地震に対する安全上必要な構造方法に関する技術的基準又はこれに準ずるものに適合する一定の既存住宅を加える。 2.特定居住用財産の買換及び交換の場合の長期譲渡所得の課税の特例 ☆適用対象となる買換資産の範囲の拡大 →適用対象となる既存住宅の範囲に、地震に対する安全上必要な構造方法に関する技術的基準又はこれに準ずるものに適合する一定の耐火建築物を加える。 |
1. 平成17年4月1日以後に既存住宅を取得し、自己の居住のように供する場合につき適用 2. 平成17年1月1日以後に譲渡資産の譲渡をし、同年4月1日以後に買換資産を取得する場合につき適用 |
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| <金融・証券税制> | 1.特定口座内保管上場株式等に係る所得計算等の特例等 (1)平成17年4月1日から平成21年5月31日までの間に、一定の用件の下で、特定口座に自己が保管している上場株式等を実際の取得日及び取得価額で受け入れることが出来ることとする。 (2)特定口座内保管上場株式等を特定口座を開設している証券業者に貸し付けた場合において、当該貸付期間後に返還される当該特定口座内保管上場株式等と同一銘柄の上場株式等を、一定の要件の下で、当該特定口座に、当該貸し付けをした際に当該特定口座において管理されていた取得価額で受け入れることが出来ることとする。 (3)特定口座の取扱者の範囲に日本郵政公社を加える。 2.特定管理株式に係る課税の特例 特定口座を開設する証券業者等に開設される特定管理口座において、上場株式等に該当しないこととなった日以後引き続き保管の委託がされている当該株式(「特定管理株式」という。)につき、株式としての価値を失ったことによる損失が生じた場合として当該特定管理株式を発行した株式会社の精算結了等の事実が発生したときは、当該事実が発生したことは当該特定管理株式の譲渡をしたこととみなし、かつ、当該損失の金額として一定の金額は当該特定管理株式の譲渡をしたことにより生じた損失の金額とみなして、株式等に係る譲渡所得等の課税の特例を適用することができることとする。 *特定管理口座 特定口座内保管上場株式等で上場株式等に該当しないこととなった内国法人の株式につき当該特定口座から移管により保管の委託がされることその他一定の要件を満たす口座をいう。 |
(2) 平成17年4月1日以後に貸し付ける特定口座保管上場株式等につき適用 (3) 平成17年10月1日以後に開設される特定口座につき適用 2.平成17年4月1日以後に特定口座内保管上場株式等に該当しないこととなった場合につき適用 |
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| <国際課税> | 1.非居住者の国内源泉所得の範囲の拡大 国内にある不動産(土地等、建物その他一定の資産)を主たる資産(総資産の50%以上)とする法人の発行する株式等(一定の株式等を除く)又は国内にある不動産を主たる信託財産(信託財産の価額の総額の50%以上)とする特定信託の受益権(一定の受益権を除く)の譲渡によって得る所得を申告納税の対象となる国内源泉所得の範囲に加える。 2.居住者の外国税額控除 控除対象となる外国所得税の範囲の見直しなど一定の調整措置を講ずる。 3.居住者証明書の提出の緩和 租税条約の適用の際に提出する条約届出書に添付する居住者証明書について、源泉徴収義務者への提示など一定の要件を満たす場合には、その添付があったものとみなすこととする。 |
1. 平成18年分以後の所得税につき適用 2. 平成18年分以後の所得税及び平成19年度分以後の個人住民税につき適用 3. 平成17年4月1日以後に条約届出書を提出する場合につき適用 |
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| <中小企業・ベンチャー支援> | 1.エンジェル税制の適用期限の延長 特定中小会社が発行した株式にかかる譲渡所得等の課税の特例(エンジェル税制)の適用期限を2年延長する。 |
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| <NPO税制等> | 寄附金控除の控除対象限度額を総所得金額等の30%(現行25%)に引き上げる。 |
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| <その他の制作税制> | 1.特定住宅地造成事業等のための土地等を譲渡した場合の1,500万円特別控除の適用対象範囲の追加 *追加対象譲渡 →地方公共団体又は一定の景観整備機構が景観計画に定められた景観重要公共施設に関する事業のように供する土地がこれらの者に買い取られる場合 2.寄附金控除 政治活動に関する寄付をした場合の寄附金控除又は所得税額の特別控除の特例適用期限を5年延長する。 3.医療機器等の特別償却制度 対象機器等の見直しを行ったうえで、適用期限を2年延長する。 4.優良賃貸住宅等の割増償却制度 (1)割増償却率の引き下げ @耐用年数35年未満・・・15%(現行21%) A耐用年数35年以上・・・20%(現行28%) (2)高齢者向けの優良賃貸住宅に係る措置及び改良優良賃貸住宅に係る措置の適用期限を2年延長する。 |
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| <その他> | 1.社会保険料控除 国民年金保険料にかかる社会保険料控除の適用について、当該保険料の支払いをした胸を証する書類を確定申告書に添付等をし、又は年末調整の際に提出等をしなければならないこととする。 2.所得税の確定申告書の記載事項に、譲渡所得の金額の計算に関する事項を加える。 3.公開株式にかかる譲渡所得等の課税の特例を廃止する。 |
平成17年分以後の所得税につき適用 | |||||||||
| 法人税 | <国際課税> | 1.内国法人の特定外国子会社等に係る所得の課税の特例 (1) 特定外国子会社等で所在地国基準又は非関連者基準を満たさないものが、事業者基準、実体基準及び管理支配基準を満たす場合における適用対象留保金額について、当該特定外国子会社等の未処分所得の金額から人件費(一定のものに限る)の10%相当額を控除する。 (2)内国法人等が特定外国子会社等から配当等を受けた場合における損金算入限度額の対象となる当該外国子会社等に係る課税済留保金額の対象期間を10年(現行5年)とする。 (3)特定外国子会社等の未処分所得の金額の計算において控除する欠損金に係る繰越期間を7年(現行5年)に延長する。 (4)その他所要の措置 2.外国法人の国内源泉所得の範囲の拡大 国内にある不動産(土地等、建物その他一定の資産)を主たる資産(総資産の50%以上)とする法人の発行する株式等(一定の株式等を除く)又は国内にある不動産を主たる資産(信託財産の価額の総額の50%以上)とする特定信託の受益権(一定の受益権を除く)の譲渡によって得る所得の申告納税の対象となる国内源泉所得の範囲に加える。 3.移転価格税制 適用対象となる国外関連者の範囲に一定の者を加える。 |
(2)平成12年4月1日以後に終了した事業年度において生じた課税済留保金額につき適用 (3)平成17年4月1日以後に終了する事業年度において生ずる欠損金額につき適用 |
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| <中小企業・ベンチャー支 援> |
1.同族会社の特別税制 中小企業者等に対する同族会社の特別税率の不適用制度について、次の事業年度を対象に加える。 (1)中小企業の新たな事業活動の促進に関する法律(仮称)の中小企業者に該当する同族会社の設立10年以内の各事業年度 (2)中小企業の新たな事業活動の促進に関する法律(仮称)の経営革新計画の承認を受けた中小企業者の経営革新のための事業を実施している各事業年度 |
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| <NPO税制等> | 1.認定NPO法人制度の認定要件等の見直し (1)パブリック・サポート・テストの算定 (2)共益的な活動の制限に係る要件の見直し (3)運営組織、経理及び事業者活動に関する要件の見直し (4)認定NPO法人の申請書の添付書類及び各事業年度報告書類の簡素 |
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| <その他の制作税制> | 1.人材投資(教育訓練)促進税制の創設 (1)制度の概要 青色申告書を提出する法人の各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入される「教育訓練費」の額が、その法人の直前2年以内に開始した各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入された教育訓練費の平均額を超える場合には、3年以内の時限措置として、次のいずれか少ない金額の税額控除を認める。 @当該超える部分の金額×25% A当期の法人税額×10% (2)中小企業者等の特例 青色申告書を提出する中小企業者等については、上記(1)の制度の適用に代えて、各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入される教育訓練費の額に対し、次の控除率による税額控除(当期の法人税額の10%を限度とする)を認める。 @教育訓練費増加率が40%以上の場合・・・20% A教育訓練費増加率が40%未満・・・教育訓練費増加率×0.5 *教育訓練費増加率・・・(A)-(B)/(B) (A)→当期の教育訓練費の額 (B)→直前2年以内に開始した各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入された教育訓練費の平均額 2.医療機器等の特別償却制度 対象機器等の見直しを行ったうえで、適用期限を2年延長する。 3.優良賃貸住宅等の割増償却制度 (1)割増償却率の引き下げ @耐用年数35年未満・・・15%(現行21%) A耐用年数35年以上・・・20%(現行28%) 4.協同組合等の貸倒引当金の特例の適用期限を2年延長する。 |
平成17年4月1日以後に開始する事業年度につき適用(法人住民税についても同様) | |||||||||
| <その他> | 1.民事再生法の再生計画認可の決定等又はこれに準ずる再建計画(適正な資産評定に基づく貸借対照表を基礎とした債務免除額が定められていること等一定の要件を満たすものに限る)の合意があった場合に、債務者である法人について次の措置を講ずる。 (1)その有する資産の評価損又は評価益の計上を行う。 (2)上記(1)の適用を受ける場合には、繰越欠損金のうち、青色欠損金等以外の欠損金を優先して控除(債務免除益等の額を限度とする)をする。 |
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| 相続税・贈与税 | <住宅税制> | 1.住宅取得金等に係る相続時精算課税制度の特例 適用対象となる既存住宅の範囲に地震に対する安全上必要な構造方法に関する技術的基準又はこれに準ずるものに適合する一定の既存住宅を加える。 |
平成17年4月1日以後に開始する事業年度から適用 | ||||||||
| 地方税 | <住宅税制> | 1.分割基準の見直し (1)非製造業(鉄道事業・軌道事業、ガス供給業・倉庫業及び電気供給業を除く)について、課税標準の1/2を事務所数により、2/1を従業員数により関係都道府県に分割する。 (2)本社管理部門の従業員数を1/2に割り落とす措置を廃止する。 |
平成17年4月1日以後に開始する事業年度から適用 | ||||||||
| <個人住民税> | 1.年齢65歳以上の者のうち前年合計所得金額が125万円以下の者に対する個人住民税の非課税措置を廃止する。 *経過措置 平成17年1月1日において65歳に達していた者であって、前年合計所得金額が125万円以下であるものについては、平成18年度分については所得割及び均等割の税額の2/3を減額し、平成19年度分については所得割及び均等割の1/3を減額する。 2.給与支払報告書の提出範囲の拡大 特別徴収義務のある給与支払者は、当該給与支払者から給与の支払を受けている者が退職した場合には、退職した日の属する年の翌年1月31日までに、当該給与の支払を受けていた者に係る給与所得の金額その他一定の事項を当該給与の支払を受けていた者の退職時に置ける住所所在の市町村別に作成された報告書(給与支払報告書)に記載し、これを当該市町村の長に提出するものとする。 ただし、退職した年の当該給与支払者から支払を受けた給与の額が30万円以下である者に係る支払報告書は提出しないことが出来ることとする。 |
1.平成18年度分以後の個人住民税につき適用 2.平成18年1月1日以後に退職した者につき適用 |
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| その他 | 1.不動産の譲渡に関する契約書等に係る印紙税の税率の特例措置の適用期限を2年延長する。 |
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| 検討事項 | 1.わが国金融・証券市場の透明性、公平性、効率性を高めるとともに、個人の株式投資を促進するため、金融機関のシステム構築といった面にも配慮しつつ、金融商品間の課税方式の均衡化、損益通算の範囲の拡大を進めていく。 その際、国債の大量発行下における個人保有の拡大策について、金融を取り巻く状況等も踏まえつつ、引き続き検討する。 また、納税者番号制度については、適正・公平な課税の実現、納税者の税制への信頼の向上にも資するものであり、制度の仕組みと目的を明らかにしながら、番号利用にかかるコスト、経済取引への影響、プライバシー保護の問題等について検討を行い、国民の理解を得つつ、その導入に向けた取り組みを行う。 2.複利型預貯金商品の課税繰延問題の継続検討を進める。 3.生損保控除については、医療、介護などの高齢化社会における社会保障政策を踏まえた新たな商品開発の進展、制度創設の目的が達成されているとの指摘等を踏まえ、制度のあり方の抜本的な見直しを行う。 なお、地震保険については、地震災害に対する国民の自助努力による個人資産(住宅・家財)の保全を促進し、地震災害時における将来的な国民負担軽減を図る必要があるとの指摘を踏まえ、現在販売されている各種商品の実態把握に努めつつ、損害保険料控除制度全体の見直しの中で、そのあり方を検討する。 4.要援護高齢者等の介護費用にかかる税制上の措置については、介護保険制度改革の実施に向け所要の措置を講ずるとともに、介護保険の実施状況や特別な人的控除との関係等を踏まえ、検討する。 5.耐震改修税額控除制度については、地震災害から地域を守ることの重要性に鑑み、そのための国・地方を通ずる総合的な施策の一環として、地域の実情に応じた助成金制度のあり方との関係を含め早急に検討する。 6.年金課税については、少子高齢化が進展する中で、公的年金制度改革の動向等を見極めつつ、老後を保障する公的年金と私的資産形成の状況、退職金課税や給与課税とのバランス、世代間・世代内の公平確保等に留意して、特別法人税のあり方を含め、拠出・運用・給付を通ずる負担を適正化に向けた抜本的な検討を行う。 7.公益法人制度については、現在、政府において、平成18年の通常において法制上の措置等を講ずることを目指し、その抜本的な見直しの検討を進めており、新たな制度の骨格が明らかになった段階で、それに対応した税制上の措置について検討する。 8.略(NPO法人等に係る課税制度の抜本的検討) 9.交際費課税については、これを巡る種々の指摘に鑑み、交際費等の範囲に関し、その実体等を踏まえつつ、課税上の運用の明確化のための検討を行う。 10.略(金融機関の不良債権処理に係る税制上の対応検討) 11.災害に関して特別立法が行われることとなった場合、必要に応じ、これに関する所要の税制上の措置について検討を行う。 また、災害に伴って消費税の簡易課税の選択の変更を行う必要が生じた場合の法律上の所要の対応について検討を行う。 12.略(酒税) 13.略(酒販免許制度) 14.略(環境税のあるべき姿の早急なる検討) 15.個人住民税均等割は、広く住民が地域社会の費用の一部を等しく分担するものであり、地方分権を支える重要な税であるという性格を踏まえ、その標準税率を引き上げる方向で検討する。 16.公的年金等受給者の納税の便宜や徴収の効率化を図る観点から、個人住民税に置ける公的年金等からの特別徴収について、導入に向けて早急に検討を進める。 17.略(法人事業税における収入金額による外形標準課税対象4業種の付加価値額及び資本等の金額による外形標準課税組み入れの検討) 18.略(自動車税・軽自動車税の制限税率の引き上げ検討) 19.略(PFI事業の課税のあり方の検討) |