平成16年税制改正大綱
編集:神津信一税理士事務所

<所得税・個人住民税>
住宅税制
土地税制
中小企業・ベンチャー支援
金融及び証券税制
年金税制
国際課税
その他

<法人税>
土地税制
中小企業・ベンチャー支援
金融・産業構造改革促進税制
国際課税
環境対策
その他の政策税制
その他

<相続税・贈与税>
中小企業・ベンチャー支援
農林漁業対策
その他

<地方税>
住宅税制
土地税制
地方分権への対応
環境対策
その他の政策税制
その他

検討事項

税   目 内   容 細   目 適用時期
所得税・個人住民税 <住宅税制> 1.住宅借入金等を有する場合の所得税の特別控除

2004年〜2008年までに居住の用に供した場合の控除期間、住宅借入金等の年末残高の限度額及び控除率を下表のとおりとする。

居住年 控除年数 控除対象借入金の年末残高 適用年及び控除率
2004 10年 5000万円以下の部分 10年間すべて年末借入金残高×1%
2005 4000万円以下の部分 1〜8年目まで1%
9,10年目は0.5%
2006 3000万円以下の部分 1〜7年目まで1%
8〜10年目まで0.5%
2007 2500万円以下の部分 1〜6年目まで1%
7〜10年目まで0.5%
2008 2000万円以下の部分 1〜6年目まで1%
7〜10年目まで0.5%

2.特定居住用財産の譲渡損失の繰越控除等の創設

 個人が平成16年1/1〜平成18年12/31までの間にその有する居住用の家屋又は土地
(その年1/1現在の所有期間が5年超のもの。以下「譲渡資産」という。)の譲渡(親族等に対するものを除く。)をした場合(注1)において、その譲渡した年にその譲渡資産に係る譲渡損失の金額(注2)があるときは、一定の要件の下で、その譲渡損失の金額を翌年以後3年内の各年分(注3)の総所得金額等から繰越控除を認める。

(注1)譲渡契約日の前日において譲渡資産に係る一定の住宅借入金等の金額を有することが要件
(注2)譲渡資産に係る譲渡損失の金額とは次に掲げる金額のいずれか少ない金額のうち、損益通算してもなお控除しきれない部分の金額をいう。@譲渡資産に係る譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額A譲渡資産に係る一定の住宅借入金等の額からその譲渡資産の譲渡対価の額を控除した残額
(注3)合計所得金額3,000万円以下である年分に限る。
(注4)純損失の繰越控除制度及び純損失の繰戻し還付制度(所得税)の純損失の金額には、この譲渡資産に係る譲渡損失の金額は含まれない。
3.特定居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の繰越控除

(1)適用期限を3年延長する。

(2)譲渡資産の譲渡をした年の一定日において譲渡資産の取得に係る一定の住宅借入金等の残高を有することという要件を除外する。
※ この特例は、譲渡資産に係る譲渡損失の金額があるときは、その譲渡資産の譲渡による所得以外の所得との通算及び翌年以降の繰越しを認め、純損失の繰越控除制度及び純損失の繰戻し還付制度(所得税)の純損失の金額には、この譲渡資産に係る譲渡損失の金額は含まれない

4.特定居住用財産の買換え等及び交換の場合の長期譲渡所得の課税の特例の適用期限を3年延長する。

5.給与所得者等が住宅資金の貸付け等を受けた場合の課税の特例の適用期限を2年延長する。

6.優良賃貸住宅等の割増償却制度について次の改正をした上で、適用期限を2年延長する。

(1)適用対象範囲の縮小
 適用対象となる賃貸住宅から都心共同住宅を除外

(2)割増償却率の引下げ(3割ダウン)
 @ 耐用年数35年以上のもの 28%(改正前40%)
 A @以外のもの 21%(改正前30%)

平成16年1月1日から平成18年12月31日までの譲渡につき適用
<土地税制> 1.土地・建物等の長期譲渡所得の課税の特例

(1)長期譲渡所得の課税の特例について、土地・建物等を譲渡した場合の税率軽減の特例を廃止し、税率を次のように引き下げる。
現行(特例措置) 改 正 案
☆特別控除後の譲渡益に26%(所得税20%,住民税6%) ☆同 譲渡益に20%(所得税15%,住民税5%)




(2)優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例について次の措置を講じた上で、その適用期限を5年延長する。

 @ 税率の引き下げ
現   行 改 正 案
☆特別控除後の譲渡益4,000万円以下部分に20%(所得税15%,住民税5%)
☆特別控除後の譲渡益4,000万円超部分に26%(所得税20%,住民税6%)
☆特別控除後の譲渡益2,000万円以下部分に14%(所得税10%,住民税4%)
☆特別控除後の譲渡益2,000万円超部分に20%(所得税15%,住民税5%)


 A 重複適用の制限
 この特例を受ける場合に次の特例は適用しない。
イ.収用交換等により代替資産を取得した場合の課税の特例及び換地処分等に伴い資産を取得した場合の課税の特例その他の課税の繰延べ措置
ロ.収用交換等の5,000万円特別控除、特定土地区画整理事業等のための2,000万円特別控除、居住用財産の3,000万円特別控除その他の特別控除

(3)長期譲渡所得の100万円特別控除は廃止する。







2.土地・建物等の短期譲渡所得の課税の特例

  税率を次のように引き下げる。

現   行 改 正 案
次のいずれか多い額

@譲渡益の52%(所得税 40%,住民税12%)
A全額総合課税した場合の 上積税額の110%相当額

 但し、国等に対する譲渡については、次のいずれか多い額による。
@譲渡益の26%(所得税 20%,住民税6%)
A全額総合課税した場合の上積税額
次の税額による。

譲渡益の39%(所得税30%,住民税9%)相当額

但し、国等に対する譲渡については、次の税額による。
譲渡益の20%(所得税15%,住民税5%) 相当額



3.損益通算の制限土地、建物等の長期譲渡所得の金額又は短期譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額については、他の所得との通算及び翌年以降の繰越しを認めない。

4.土地重課制度停止措置の延長短期所有土地の譲渡等をした場合の土地の譲渡等に係る事業所得等の課税の特例(重課制度)について、適用停止措置の期限を5年延長する。

5.特定資産の買換えの場合等の課税の特例について、長期所有の土地、建物等から国内にある土地、建物、機械装置等への買換えの適用期限を3年延長する。

6.特定の民間住宅宅地造成事業のために土地等を譲渡した場合の1,500万円特別控除の適用期限を3年延長する。



平成16年1月1日以後に行う譲渡につき適用する







平成16年1月1日以後に行う土地、建物等の譲渡につき適用する



















平成16年分以後の所得税及び平成17年以後の個人住民税につき適用する



平成16年1月1日以後に行う土地、建物等の譲渡につき適用する。

















平成16年分以後の所得税及び平成17年分以後の個人住民税につき適用する。
<中小企業・ベンチャー支援> 1.上場株式等以外の株式等を譲渡した場合における譲渡所得等の金額に対する税率の引き下げ

  → 所得税15%,住民税5%(現行:所得税20%,住民税6%)

2.エンジェル税制の見直し

 特定中小会社が発行した株式に係る課税の特例(いわゆるエンジェル税制)について特定中小会社の範囲の拡大及び譲渡期間の緩和措置を講ずる等の一定の見直しを行う。

3.相続財産に係る非上場株式を発行会社に譲渡した場合のみなし配当等の課税の特例の創設

 相続又は遺贈により財産を取得した個人で、その相続又は遺贈につき相続税があるものが、その相続開始日の翌日から相続税の申告期限の翌年以後3年を経過する日までの間にその相続税額に係る課税価格の計算の基礎に算入された上場株式等以外の株式(「非上場株式」という。)をその非上場株式の発行会社に譲渡した場合につき次の措置を講ずる。
(1)その非上場株式の譲渡対価として発行会社から交付された金銭等の額が発行会社の資本等の金額のうち交付の基因となった株式に対応する部分の金額を超えるときは、その超える部分の金額については、みなし配当課税を行わない。

(2)上記(1)の適用を受ける金額については、株式等に係る譲渡所得等の収入金額とみなして、株式等に係る譲渡所得等の課税の特例を適用する。

4.青色申告特別控除額の引き上げ等
(1)取引を正規の簿記の原則に従い記録している者については65万円(現行55万円)に引き上げる。

(2)簡易な簿記の方法により記録している者に係る特別控除の経過措置を廃止する。
5.中小企業投資促進税制の見直し

 適用対象資産の器具備品の取得価額要件を120万円(現行100万円)以上に、リース費用総額要件を160万円(現行140万円)以上に引き上げた上で、適用期限を2年延長する。

平成16年1月1日以後に行う株式等の譲渡による取得につき適用する。


平成16年4月以後の取得株式及び譲渡につき適用する。

平成16年4月1日以後の相続等により取得した非上場株式を同日以後に譲渡する場合につき適用する。















平成17年分以後の所得税及び平成18年分以後の個人住民税につき適用する。
<金融及び証券税制> 1.公募株式投資信託の受益証券に係る課税の見直し等

(1)公募株式投資信託の受益証券を譲渡した場合における譲渡所得等の金額につき、上場株式等を譲渡した場合の株式等に係る譲渡所得等の課税の特例の優遇税率(所得税7%,住民税3%)を適用する。

(2)公募株式投資信託の受益証券の譲渡による損失につき上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除の対象とする。

(3)特定口座内保管上場株式等の譲渡等に係る所得計算等の特例における特定口座内保管上場株式等の範囲に公募株式投資信託の受益証券を加える。

(4)特定口座の取扱者の範囲に、銀行,協同組織金融機関又は登録金融機関を加える。
2.特定口座を開設する居住者が出国をする場合において、その特定口座での上場株式等の出入れを行わないことその他一定の要件の下で、その者の帰国後にその特定口座の継続適用を認める。

(1)は平成16年1月1日以後に行う譲渡による所得につき適用し、
(3)は平成16年4月1日以後の特定口座内保管上場株式等の譲渡について適用し、
(4)は平成16年4月1日以後に設定される特定口座につき適用する。平成16年4月1日以後に出国をする場合につき適用する。
<年金税制> 1.公的年金等控除額及び老年者控除の見直し

(1)公的年金等控除額のうち、年齢65歳以上の者に対して上乗せされている措置を廃止する。

(2)老年者特別加算として年齢65歳以上の者の公的年金等控除額の最低保障額を50万円加算し、120万円とする特例措置を講ずる。

(3)老年者控除を廃止する。
2.公的年金等に係る源泉徴収

(1)上記1.の改正に伴い、平成17年1月1日以後に支払うべき公的年金等に係る源泉徴収について、特定公的年金等の支払額からの控除額等の見直しを行う。
(2)略

3.確定拠出年金制度の見直し

 (1)確定拠出年金の拠出限度額につき次のとおり引上げる。 
 @ 企業型           (現行)   (改正案)
   イ.他に企業年金なき場合 月額3.6万円 月額4.6万円
   ロ.他に企業年金ある場合 月額1.8万円 月額2.3万円
 A 個人型         (現行)   (改正案)
    企業年金がない場合  月額1.5万円 月額1.8万円
 (2)少額資産の場合の中途引出し要件の緩和を図る。

平成17年分以後の所得税及び平成18年以後の個人住民税につき適用する。
<国際課税> ☆ 国内に恒久的施設を有する非居住者の受ける一定の国内源泉所得に係る源泉徴収の免除手続を、証明書提出方式から証明書提示方式に改める。 平成16年7月1日以後に支払を受けるべき国内源泉所得につき適用する。
<その他> 1.寄付金控除

 対象となる特定公益増進法人の範囲に次の業務を行う
 地方独立行政法人を加えるとともに、公立大学法人に対する寄付金については国立大学法人と同様の扱いとする。
(1)試験研究を行うこと
(2)病院事業を経営すること
(3)社会福祉事業を経営すること
(4)介護老人保健施設の設置及び管理を行うこと
2.国等に財産を寄附した場合の譲渡所得等の非課税制度適用対象となる地方独立行政法人(上記1に掲げる業務を行うものに限るものとし、公立大学法人を含む。)に対する財産の贈与又は遺贈(「贈与等」という。)については、国税庁長官の承認の要件のうち、その贈与等が公益の増進に著しく寄与すること及びその贈与等により贈与者又は遺贈者の所得税等を不当に減少させる結果とならないこ とを不要とする。

3.通勤手当の非課税限度額の一部引き上げ交通用具使用者の通勤手当につき、通勤距離が片道45km以上の者の1ヶ月当たり非課税限度額を次のように引上げる。

現   行 改 正 案
片道35km以上20,900円(ただし、その運賃が20,900円超の場合は運賃相当額(10万円限度)) 片道35km以上45km未満20,900円(ただし、その運賃が20,900円超の場合は運賃相当額(10万円限度)) 片道45km以上 24,500円(ただし、その運賃が20,900円超の場合は運賃相当額(10万円限度))

4.個人住民税の見直し
(1)市町村民税の均等割について、人口段階別の税率区分を廃止し、その税率を3,000円(年額)に統一する。
(2)個人住民税均等割の納税義務を負う夫と生計を一にする妻で、夫と同じ市町村内に住所を有する者に対する非課税措置を廃止する。(平成17年度分については、税率を2分の1にする。)
(3)個人住民税所得割について、所得の金額が35万円に本人、控除対象配偶者及び扶養親族の合計数を乗じて得た金額(控除対象配偶者及び扶養親族を有する場合にはその金額に35万円(現行36万円)を加えた金額)以下の者を非課税とする。また均等割の非課税基準を35万円に本人、控除対象配偶者及び扶養親族の合計数を乗じて得た金額(控除対象配偶者及び扶養親族を有する場合にはその金額に22万円(現行24万円)を加えた金額)とする。
5.所得税等の規定による本人確認の際に提示する確認書類 の範囲に、一定の住民基本台帳カード等を追加する。

6.社会保険診療報酬の所得計算の特例の対象となる社会保 険診療の範囲に、心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律に基づく医療を加える。

















平成16年4月1日以後に受けるべき通勤手当につき適用する。







平成17年度分以後の個人住民税につき適用する。










平成16年4月1日以後の確認書類につき適用する。
法人税 <土地税制> 1.特定資産の買換えの場合等の課税の特例について、長期所有の土地、建物等から国内にある土地、建物、機械装置等への買換えの適用期限を3年延長する。

2.土地譲渡益(一般・短期)に対する追加課税制度について、適用停止措置の期限を5年延長する。なお、一般の土地譲渡益に対する追加課税の適用除外措置(優良住宅地等のための譲渡等に係る適用除外)の適用期限も5年延長する。

3.特定の民間住宅宅地造成事業のために土地等を譲渡した場合の1,500万円特別控除の適用期限を3年延長する。

<中小企業・ベンチャー支援> 1.中小企業投資促進税制適用対象資産の器具備品の取得価額要件を120万円(現行100万円)以上に、リース費用総額要件を160万円(現行140万円)以上に引き上げた上で、適用期限を2年延長する。

2.欠損金の繰戻し還付不適用制度の適用除外措置の延長適用期限を2年延長する。

※ 適用除外措置の対象となる欠損金額
@ 中小企業者の設立後5年間に生じた欠損金額
A 中小企業経営革新支援法の承認経営革新計画に従って経営革新のための事業を行う中小企業者の欠損金額
3.同族会社の特別税率不適用制度の適用期限の延長

 中小企業者等に対する同族会社の特別税率の不適用制度の適用期限を2年(中小企業の創造的事業活動の促進に関する臨時措置法に係る措置については、同法の期限である平成17年4月13日まで)延長する。

※ 対象となる中小企業者等
@ 設立後10年以内の新事業創出促進法の中小企業者に該当する会社
A 新事業創出促進法の認定事業者(主務大臣の認定を受けた計画に係る新事業分野開拓を実施する者)(注)中小企業者に限らず適用される。
B 中小ベンチャー法の中小企業者のうち前年度の試験研究費及び開発費の合計額の収入金額に対する割合が3%を超えるもの
☆ 参考平成15年4月1日〜平成18年3月31日までの間は、自己資本比率50%以下の中小法人も不適用
<金融・産業構造改革促進税制> 1.欠損金の繰越控除制度の見直し

 青色欠損金、青色申告書を提出しなかった事業年度の災害損失金及び連結欠損金の繰越期間を7年(現行5年)にそれぞれ延長する。

2.帳簿書類の保存期間の延長現行5年間の保存期間とされている帳簿書類の保存期 間を7年間に延長する。





3.更正の期間制限の見直し(1)欠損金額に係る更正の期間制限を7年(現行5年)に延長する。(2)脱税以外の場合の過少申告に係る更正の期間制限を5年(現行3年)に延長する。







4.資産整理に伴う私財提供等があった場合の欠損金の損金算入制度について、繰越欠損金額から資本積立金額を控除しないこととする。

5.連結納税制度を選択した法人に対する付加税(いわゆる連結不可税)は、適用期限の到来をもって廃止する。

※ 法人住民税及び法人事業税につき、欠損金の繰越控除制度等に関する国税における諸制度の取扱いを踏まえ、所要の措置を講ずる。
平成13年4月1日以後開始事業年度において生じた欠損金額につき適用する。

平成13年4月1日以後に開始した事業年度に係る帳簿書類につき適用する。


(1)は平成13年4月1日以後に開始した事業年度において生じた欠損金につき、(2)は平成16年4月1日以後に法定申告期限が到来する法人税につき適用する。
<国際課税> 1.日米租税条約の改正に関連する所要の措置

(1)移転価格税制に係る独立企業間価格算定方法の整備日米新条約において、両国間で移転価格課税事案についてOECD移転価格ガイドラインに従ってその問題解決を図ることとされたことに併せて、移転価格税制に係る独立企業間価格の算定方法にOECDガイドラインにおいて認められている取引単位営業利益法を追加する。

(2)以下省略
2.過少資本税制

 国外支配株主等に係る負債利子の課税の特例について、その適用要件として3倍基準に代えて類似法人基準を用いる場合には、類似法人の過去3年内のいずれかの事業年度の総負債の総資産に対する比率を用いることができることとする。













平成16年4月1日以後に終了する事業年度につき適用する。
<環境対策> 1.エネルギー需給構造改革推進投資税制について対象設備 を見直したうえ、その適用期限を2年延長する。

2.公害防止用設備の特別償却の見直したうえ、適用期限を 1年〜2年延長する。

<その他の政策税制> 1.増加試験研究費等の税額控除制度

 対象となる試験研究費の範囲から中小企業経営革新支援法に係る措置(沖縄振興特別措置に係る部分を除く)を除外する。

2.中小企業等基盤強化税制
 飲食店業を営む法人の対象設備の見直しを行う。

3.倉庫用建物等の割増償却制度
 対象倉庫の機能要件の見直しを行うとともに、割増償却率を10%(現行12%)に引き下げたうえで、その適用期限を2年延長する。

4.海外投資等損失準備金制度
 適用対象事業の見直しをし、適用期限を2年延長する。

<その他> 1.国庫補助金等の圧縮記帳制度
 対象となる国庫補助金等の範囲に独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構法に基づく助成金で環境適応型小型航空用エンジン研究開発事業に係るものを加える。

2.使途秘匿金の支出がある場合の課税の特例の適用期限を2年延長する。

3.欠損金の繰戻し還付不適用制度の適用期限を2年延長する。

相続税・贈与税 <中小企業・ベンチャー支援> 1.特定事業用資産についての相続税の課税価格の計算特例

 対象となる特定同族会社株式等の価額の上限を10億円 (現行3億円)に引き上げる。
平成16年1月1日以後に相続若しくは遺贈又は贈与により取得する財産に係る相続税又は贈与税につき適用する。
<農林漁業対策> 1.山林に関する相続税について次のとおり評価方法の改善を図る。
(1)幼齢立木の評価
 1年目の標準価額を見直し、それを基に評価を行う期間を市場価値が生ずる林齢まで延長するなどの措置を講ずる。

(2)林地の評価
 標準地の再選考などの措置を講ずる。
<その他> 1.相続財産を贈与した場合の相続税の非課税制度
 適用対象となる法人の範囲に、次の業務を行う地方独立行政法人を加えるとともに、公立大学法人に対する相続財産の贈与については国立大学法人と同様の取扱いとする。
(1)試験研究を行うこと

(2)病院事業を経営すること

(3)社会福祉事業を経営すること

(4)介護老人保健施設の設置及び管理を行うこと
2.農地等の相続税の納税猶予の特例の改正に伴う賃貸住宅用地等への転用に係る経過措置について、適用対象者を見直したうえ、その適用期限を3年延長する。
地方税 <住宅税制> 1.不動産取得税
(1)新築特例適用住宅用土地に係る不動産取得税の減額措置(床面積の2倍(200u限度)相当額の減額)について、土地取得後の住宅新築までの経過年数要件を3年(本則2年)以内に緩和する特例措置について、やむを得ない事情がある場合には4年以内に緩和したうえ、その適用期限を2年延長する。

(2)不動産取得税について、新築住宅を宅地建物取引業者等が取得したものとみなす日を住宅新築の日から1年(本則6月)を経過した日に緩和する特例措置の適用期限を2年延長する。


2.固定資産税等
(1)新築住宅に係る固定資産税の減額措置について、戸建以外の貸家住宅の床面積要件の下限を40u(現行35u)としたうえ、その適用期限を2年延長する。

(2)特定優良賃貸住宅に係る固定資産税の減額措置について、戸数要件の下限を10戸(現行:中心市街地において新築されるものに限り5戸)とし、床面積要件の下限を50u(現行35u)としたうえ、その適用期限を2年延長する。
<土地税制> 1.商業地等における固定資産税について、負担水準の上限が法定された70%の場合に算定される税額から、地方公共団体の条例の定めるところにより、負担水準60%から70%の範囲内で条例で定める負担水準により算定される税額まで、一律に減額することができる措置を講ずる。

※ 都市計画税についても同様の措置を講ずる。
<地方分権への対応> 1.三位一体改革の一環として、次のとおり税源移譲を実施
(1)平成18年度までに、所得税から個人住民税への本格的な税源移譲を実施することとし、それまでの暫定措置として、平成16年度において、所得税の一部を使途を限定しない一般財源として地方へ譲与する所得譲与税を創設する。

(2)所得譲与税による平成16年度の税源移譲額は4,249億円とし、人口を基準として都道府県及び市区町村へ譲与する。


2.地方分権を推進する観点から、地方公共団体の課税自主権の拡大を図るため、次の措置を講ずる。
(1)固定資産税の制限税率を廃止する。

(2)標準税率の定義を見直し、財政上特別の必要があると  認める場合に限り税率を変更することができるとされている要件を緩和する。

(3)既存の法定外税の税率を引下げ、課税期間の短縮及び廃止については、総務大臣への協議・同意を不要とする。
<環境対策> [グリーン化税制]
 自動車税につき、排出ガス性能及び燃料性能の優れた環境負荷の小さい自動車は税率を軽減し、新車新規登録から一定年数を経過した環境負荷の大きい自動車は税率を重くする特例措置(いわゆる「自動車税のグリーン化」)を税収中立を前提に、以下のように講ずる。
(1)環境負荷の小さい自動車
 平成16年度及び平成17年度に新車新規登録された以下の自動車について、その登録の翌年度に次の特例措置を講ずる。
@ 平成17年自動車排出ガス基準値より75%以上排出ガス性能の良い自動車で燃費基準値より5%以上燃費性能の良い自動車並びに電気自動車、天然ガス自動車及びメタノール自動車について、税率を概ね100分の50軽減する。
A 平成17年自動車排出ガス基準値より75%以上排出ガス性能の良い自動車で燃費基準を満たすものについて、税率を概ね100分の25軽減する。
B 平成17年自動車排出ガス基準値より50%以上排出ガス性能の良い自動車で燃費基準値より5%以上燃費性能の良い自動車について、税率を概ね100分の25軽減する。

(2)環境負荷の大きい自動車
 平成16年度及び平成17年度に次の年限を超えている自動車(電気自動車、天然ガス自動車、メタノール自動車、一般乗合用バス及び被けん引車を除く。)について、その翌年度から次の特例措置を講ずる。 
@ ディーゼル車で新車新規登録から11年を経過したものにつき、税率を概ね100分の10重課する。 
A ガソリン車又はLPG車で新車新規登録から13年を経過したものにつき、税率を概ね100分の10重課する。
<その他の政策税制> 1.法人事業税(外形標準課税)

 無償減資等を行った法人に係る法人事業税について、平成13年4月1日以後に行ったその無償減資等の金額を資本等の金額から控除する資本割の課税標準の特例措置を2年間に限り講ずる。

2.不動産取得税

 自己の居住の用に供しない新築特例適用住宅用土地に係る不動産取得税の減額措置(床面積の2倍(200u限度)相当額の減額)について、住宅新築から土地取得までの経過年数要件を2年(本則1年)以内に緩和する特例措置を廃止する。

3.固定資産税

 電子計算機を管理する者が、外部から通信ネットワークを介して流通する情報により電気通信回線に接続された電子計算機に障害が発生することを防止するために取得する一定の電気通信設備に係る固定資産税の課税標準を最初の5年間価格の6分の5とする措置を2年間に限り講ずる。

<その他> 1.法人事業税(外形標準課税)

 法人事業税の付加価値割の課税標準の算定について、棚卸資産等の取得価額に算入する給与等の金額を法人税の損金の額に算入する事業年度ではなく、支出する事業年度の課税標準に含めることとする。

2.固定資産税
(1)家屋の所有者以外の者が取り付けた附帯設備に対して課する固定資産税については、その附帯設備を償却資産とし、取り付けた者を納税義務者とする等の規定の整備を行う。

(2)地方公共団体の特定の事務の郵便局における取扱いに関する法律において、固定資産税課税台帳記載事項証明書の交付請求の受付及び引渡しの事務を郵便局で取り扱わせることができるようにする措置を講ずる。
検討事項 1.わが国金融・証券市場を活力ある、透明性、公平性、効率性の高い市場とし、個人の株式投資促進のため、金融商品間の中立性、課税の簡素化から金融資産性所得の一本化に向けた取組を進める。その際、国債の大量発行下における個人保有の拡大策について、金融を取り巻く状況等も踏まえ、引き続き検討する。また、利用者の利便性の配慮から納税者番号制度の具体化の検討を進める。

2.複利型預貯金商品の課税繰延問題の継続検討を進める。

3.生損保控除については、医療、介護など高齢化社会における社会保障政策を踏まえた新商品開発の進展との関係、地震災害に対する国民的な備えが重要であるとの見地、制度創設の目的が達成されているとの指摘等を踏まえ、早急に制度のあり方の抜本的な見直しを行う。

4.金融機関の不良債権処理に対する税制上の対応につき、金融機関の自己資本に関する金融行政上の対応や関連する企業会計制度の検討と併せ、納税者間の公平、税制度としての執行可能性を前提に、金融機関や財政に及ぼす影響等を踏まえ検討する。

5.公益法人制度については、政府の抜本的な見直し、新制度の骨格が明らかになった段階で、それに対応した税制上の措置について見直しを検討する。

6.上記5の見直しにおいて、理容・美容師の試験事業等につき、他の類似する国家資格に関する事業を国から委託されている公益法人に対する課税取扱いと同様にする。

7.NPO法人の行う民間非営利活動の役割が今後益々高まることが期待されていることを踏まえ、その実態を見極めながら、活動の透明性の確保にも留意しつつ、認定要件の あり方について引き続き検討する。

8.事業承継に係る税制面からの今後の対応について、平成 15年度税制改正において措置した相続時精算課税制度や税率の軽減簡素化の効果を見極め、現行の相続制度や相続税制全体のあり方、相続税評価の適正化、個人・法人の課税のバランスなどを含めて幅広く総合的に検討する。

9.民間資金や人材、技術等の効率的活用、公的インフラの整備・有効活用の促進とともに、財政負担縮減を図り、かつ景気対策にも資するPFI事業に関しては各税の性質に応じ、税負担公平の確保等に留意しつつ、事業形態、進展等を踏まえ、税制上必要な措置のあり方を検討する。

10.温暖化対策に関する税制については、国民経済産業全般に与える影響等を十分考慮し、総合的に検討する。

11.酒販免許制度はこれを堅持し、免許基準につき幅広い観点から検討する。

12.個人住民税均等割の標準税率を適正水準に見直す方向で検討を進める。

13.電気供給業、ガス供給業、生・損保業の4業種における収入金額による外形標準課税に、今後、付加価値額及び資本等の金額による外形標準課税を組み入れていくことを検討する。