編集:神津信一税理士事務所

内容

細 目

適 用 時 期

所得税・個人住民税
1.新住宅ローン減税制度の
  創設(所得税)
平成11年から2年半の間講じられている住宅ローン控除制度の終了
に伴い新制度を創設する。→控除率,住宅借入金等の年末残高限度額
及び控除期間は次のとおりとする。

<現行>

住宅借入金の年末残高のうち
5,000万円以下の部分の金額
1年目〜6年目 1%
7年目〜11年目 0.75%
12年目〜15年目 0.50%

 <改正案>

住宅借入金の年末残高のうち
5,000万円以下の部分の金額 
1年目〜10年目  1%

  

平成13年7月1日〜平成15年12月31日までに居住の用に供した場合に適用。

なお、平成16年中に居住の用に供する場合については居住用家屋を平成13年7月1日以降に居住の用に供した場合の現行の措置(6年間控除制度)と同様の措置とする。

 

2.特定居住用財産の買換え
  等の譲渡損失の
  繰越控除制度

平成15年12月31日まで適用期限を3年間延長する。

 

3.特定居住用財産の買換え
  及び交換の長期譲渡所得
  課税の特例

次の措置を講じた上で、適用期限を3年延長する。

(1)買換資産たる家屋の床面積の引き上げ
           →上限を280u(現行240u)

(2)耐火建築物に係る築後経過年数要件の緩和
          →25年以内(現行20年以内)

平成13年4月1日以後に行う居住用財産の譲渡について適用する。

 

4.長期譲渡所得の課税の特例

平成11年1月1日〜平成12年12月31日までの間に土地・建物等を譲渡した場合の税率軽減(所得税20%、住民税6%)の特例措置の適用期限を3年延長する。  

5.優良住宅地の造成のために
  土地等を譲渡した場合の長
  期譲渡所得の課税の特例

適用期限を平成15年12月31日まで延長する。  

6.土地重課制度

短期所有土地等の譲渡等をした場合の土地等に係る事業所得等の課税の特例制度につき、適用停止措置の期限を平成15年12月31日まで3年延長する。

 

7.事業用資産の買換えの
   見直し・延長

(1)既成市街地等内から外への買換え→ 譲渡資産の取得時期の制限(平成3年3月31日以前取得)を所有期間10年超のものとし、適用期限を5年延長する。

(2)長期所有土地・建物等から土地・減価償却資産への買換え→ 適用期限を3年延長する。

 

8.金融・証券関連税制

(1)上場株式等に係る譲渡所得等の源泉分離選択

課税制度→経過措置(制度の適用及びみなし

譲渡利益率5.25%)の適用期限を2年延長する。

(2)商品先物取引による所得に対する所得税については、
   申告分離課税を行う。

→所得税20%,住民税6%

※商品先物取引により生じた損失の金額は、商品先物取引以外の所得との通算及び翌年以降への繰越しは認めない。

平成13年4月1日〜平成15年3月31日までの間に適用する。
9.その他

個人が認定NPO法人に対して寄附(その寄附をし

た者に特別の利益が及ぶと認められるもを除く。)をいた場合におけるその支出金は、特定寄附金として、寄附金控除の適用を認める。

  • 認定NPO法人… 特定非営利活動促進法(NPO法)の特定非営利活動法人(NPO法人)のうち、非営利・公益性の観点から一定の要件を満たすものとして国税庁長官の認定を受けたもの。
平成13年10月1日から施行する。
法 人 税

1.土地税制

(1)土地譲渡益(短期及び一般)に対する追加課税制度について、適用停止措置の期限を3年延長する。なお、一般の土地譲渡益に対する追加課税の適用除外措置(優良住宅地等のための譲渡等に係る適用除外)の適用期限も平成15年12月31日まで延長する。

(2)特定資産の買換え→前記のとおり。

 

2.中小企業関連税制

(1)中小企業投資促進税制

平成10年6月1日〜平成13年5月1日までの適用期限を平成14年3月31日
までとする。

※ 機械装置、器具備品(電子計算機,デジタル複写機等)、貨物自動車等
   につき7%の税額控除又は30%の特別償却の選択適用措置

(2)中小企業者等の機械の特別償却

→適用期限を2年延長(平成15年3月31日)延長する。

 

3.IT関連税制

(1)電子計算機の耐用年数(現行6年)の短縮

@パーソナルコンピューター→4年

A その他のもの→5年

(2)プログラム準備金の見直し

@汎用プログラムのうち、制御プログラムの開発費用に係る積み立ては収入金額50億円以下の部分のみ対象とする。(現行:50億円超の部分も積み立ての対象)

A データベースの構成に要する費用に係る積立率を8%(現行9%)に引き下げる。

B 適用期限を2年延長(平成15年3月31日)する。

 

4.NPO税制

個人の所得税と同様に、認定NPO法人に対する寄附金について一般の寄附金の損金算入限度額とは別枠で、損金算入限度額まで損金算入を認める。ただし、特定公益増進に対する寄附金と合せたところによる。

平成13年10月1日から施行する。

 

5.その他

交際費等の損金不算入制度の適用期限を平成15年3月31日まで2年延長する。  
相続税

1.贈与税の基礎控除の引き上げ

当分の間の措置として、基礎控除額を110万円(現行60万円)に引き上げる。

平成13年1月1日以後の贈与について適用する。

2.住宅取得資金の贈与に係る
  贈与税額の計算の特例

次の措置を講じたうえ、適用期限を平成15年12月31日まで3年延長する。
  1. 非課税限度額を550万円(110万円×5)〔現行300万円(60万円×5)に引き上げる。

    適用対象贈与に次のものを加える。

    @ 一定の増改築の対価に充てるために受ける金銭の贈与

    (注)一定の増改築とは、工事費用1,000万円以上又は増改築による床面積の増加が50u以上であるものをいう。

    A 住宅取得資金を贈与により取得した日前5年以内に居住していたその者又はその者の配偶者の所有する住宅を、当該贈与の日の属する年の翌年12月31日までに売却する場合等において、その者の住宅取得又は新築の対価に充てるために受ける金銭の贈与

平成13年1月1日以後の贈与により取得した住宅得資金に係る贈与税について適用する。

3.小規模宅地等の課税価格の
  計算特例

次の措置を講ずる。

(1)特定事業用宅地等、特定同族会社事業用宅地等及び国営事業用宅地等に係る特例の適用対象面積を400u(現行330u)までの部分に拡充する。

(2)特定居住用宅地等に係る特例の適用対象面積を240u(現行200u)までの部分に拡充する。

(3)上記(1)の宅地等、(2)の宅地等及びその他の特例対象宅地等のうちいずれか2以上の宅地等を選択する場合には、適用対象面積の調整を行う。

平成13年1月1日以後に相続又は遺贈により取得した財産に係る相続税について適用する。

4.NPO税制

相続又は遺贈により財産を取得した者が認定NPO法人に対して相続財産等の寄附をした場合には、その者又はその者の親族等の相続税等が不当に減少する場合を除き、当該寄附に係る財産の価額をその者の相続税の課税価格計算の基礎に算入しない。(一定期間に認定NPO法人に該当しなくなった場合を除く。)

平成13年10月1日から施行する。

その他の税(他)印紙税

1.印紙税

不動産の譲渡に関する契約書等に係る印紙税の税率の特例措置を平成15年3月31日まで2年延長する。  

2.不動産取得税

次に掲げる特例措置の適用期限をそれぞれ平成15年3月31日まで3年延長する。

(1)住宅に係る不動産取得税の税率軽減(3%)措置住宅用土地に係る不動産取得税の減額(税額4分の1及び住宅床面積2倍相当額)措置住宅用土地に係る不動産取得税の減額措置等における土地取得後の住宅取得までの経過年数要件を3年以内に緩和する措置

 
その他

1.会社分割・合併等
  (企業組織再編成税制)

(1)法人における課税の取扱い

@ 移転資産の譲渡損益の取扱い法人が、分割,合併,現物出資又は事後設立(以下「組織再編成」という。)によりその所有する資産を他に移転した場合において適格組織再編成に該当するときは、一定の要件の下、移転資産をその帳簿価額で引き継ぎ、譲渡損益の計上を繰り延べる。

※適格組織再編成とは…次のいずれかをいい、移転資産の対価として金銭等の株式以外の資産が交付されないものに限る。

イ.企業グループ内の組織再編成

持分割合が50%超の関係にある法人間で行う組織再編成をいう。さらに、移転事業に係る主要な資産・負債及び従業員の相当数の移転が行われていること、組織再編成後も移転した事業の継続が見込まれていることを要件とする。なお、以上の要件は持分割合100%の関係にある法人間で行う組織再編成については不要とする。

ロ.共同事業を行うための組織再編成共同で事業を行うための組織再編成に該当するか否かは、その組織再編成により一つの法人組織で行うこととした事業が相互に関連性を有するものであること、それぞれの事業の売上金額,従業員数若しくはこれらに準ずるものの比率が概ね1対5を超えないこと又は相当な地位の役員が経営に参画することにより判定し、譲渡損益の計上繰延べについては、事業の移転の対価として取得した株式を継続して保有することが見込まれていること、移転事業に係る主要な資産・負債及び従業員の相当数の移転が行われていること、組織再編成後も移転した事業の継続が見込まれていることを要件とする。

A資本の部の金額の取扱い

イ.次のロ.以外の組織再編成(分社型分割、現物出資、事後設立)

→ 利益積立金額は引き継がない。

ロ.分割型分割及び合併

(a)移転資産の譲渡損益の計上繰延べが認められない場合… 利益積立金額の引き継ぎは行なわない。

(b)移転資産の譲渡損益の計上繰延べが認められる場合…利益積立金額の引き継ぎを行う。

(2)株主における課税の取扱い

@ 株式の譲渡損益の取扱い
分割型分割や合併により、分割法人や被合併法人の株主が分割承継法人や合併法人の新株のみの交付を受けた場合には、旧株(分割法人又は被合併法人の株式)の譲渡損益の計上を繰り延べる。

A みなし配当の取扱い

分割型分割や合併が行われる場合には次の区分に応じ、それぞれ次のとおり取扱う。

イ.分割法人や被合併法人において移転資産の譲渡損益の計上繰延べが認められるとき
→ これらの法人の株主が交付を受けた新株等のうち、分割法人や被合併法人の利益を原資とするものと認められる部分をみなし配当とする。

ロ・移転資産の譲渡損益の計上繰延べが認められるとき
→ 利益積立金額は分割承継法人や合併法人に引き継がれるため、株主において配当とみなされる部分はないものとする。各種引当金の引き継ぎ等につき必要な措置を講ずる。

(3)租税回避の防止規定の設置

(4)登録免許税等

@ 登録免許税…税率につき所要の措置

A 消費税… 分割があった場合の消費税の納税義務の判定等に関し分割の形態に応じて必要な措置を講ずる等なお、商法上の分割による資産の移転は、合併の場合と同様に消費税法上の資産の譲渡等に該当しない。

B 印紙税… 分割契約書及び分割計画書に係る印紙税の税率は、合併契約書と同様に一通につき4万円とする。

(5)その他→ 略

 

平成13年4月1日以後に行われる組織再編成について適用する。

なお左記(1)@の措置を講ずることに伴い、特定の現物出資により取得した有価証券の圧縮記帳制度及び合併の場合の清算所得に対する法人税を廃止する。

また、左記(2)Aに伴い資産の交付がない場合のみなし配当課税は廃止する。

2.連結納税制度

適正かつ公平な課税を担保するとともに、万全な租税回避防止措置を講じつつ、2002年度における導入を目指す。

3.年金税制

確定給付型の企業年金について企業年金法(仮称)の制定により必要な制度整備が行われることに伴い、同法に基づく企業年金の拠出、運用及び給付の各段階について必要な措置を講ずる。

なお、適格退職年金制度は所要の経過措置期間を設けたうえ、廃止することとし、適格退職年金制度から企業年金制度等への移行に関する所要の措置を講ずる。

4.税理士制度
  1. 税理士試験→ 受験資格要件の緩和,試験科目の免除制度の見直しを行う。
  2. 税務訴訟における税理士補佐人制度の創設法人制度の創設 
  3. その他(税理士会の会則記載事項から、

税理士業務に対する報酬の最高限度額に関する規定を削除する等々)

平成14年4月1日から施行する。
検討事項

1.株式等譲渡益課税

平成15年4月1日以降の株式等譲渡益に係る申告分離課税のあり方については、直接金融を担う株式市場の役割、一般投資家の参加、国・地方を通ずる公平な課税の観点より、譲渡損失の取扱い等を含め、申告分離課税への一本化にあわせて検討する。

2.納税者番号制度

国民の理解を得つつ、検討を進める。

3.生損保控除のあり方

金融システム改革の下で業態間、商品間の垣根が取り払われてきていることや、高齢化社会における老後の自助努力や医療、介護を支援するとの見地、地震災害に対する国民的な備えが重要であるとの見地、制度創設の目的が達成されているとの指摘等を踏まえ、引き続き検討する。

4.老人マル優のあり方
  財形のあり方

高齢者の生活実態、世代間の税負担の公平、利用実態等を踏まえ、引き続き検討する。

5.年金課税

退職金課税、給与課税とのバランス等に留意して、国民間に課税の不公平が生じないよう、拠出・運用・給付を通じて課税のあり方を総合的に検討した上で、抜本的に見直す。

6.土地譲渡益課税

地価、土地市場の動向等土地をめぐる環境の変化に対応して、バブルを契機に導入された制度、軽減税率や課税ベース等について、課税の適正、公平を踏まえ、土地政策の一環として速やかに検討する。

7.個人所得課税

給与所得控除、特別な人的控除など諸控除等のあり方を含め、制度の意義、効果等を見極めつつ、抜本的な見直しを検討する。

8.法人税の課税ベース

長期金融商品、受取配当、寄附金、福利厚生費、国際課税等について、引き続き検討する。

9.相続税

個人所得課税の抜本的な見直しにあわせて、その最高税率の引き下げを含む税率構造の見直しや、課税ベース等について引き続き検討する。

また、取引相場のない株式の評価方法、山林に関する相続税について必要な見直しを行う。

10.消費税 今後、消費税全体の見直しを行う際に、納税者の事務負担にも配慮しつつ、中小特例措置、インボイス方式、申告納税制度のあり方などについて検討を行うとともに、消費税の便宜を図る観点から総額表示(消費税込み価格表示)の普及に取り組む。